機体解説#

Lockheed Martin F-16CM Block 50 Viper#

F-16CM Block 50 Viper は Lockheed Martin (旧 General Dynamics) が開発した、単発・超音速・全天候・マルチロール戦闘機です。 DCS では、単座型 F-16C Viper の能力向上型に当たる ブロック 50 が実装されています。 ブロック 50 には、AN/APG-68(V) レーダー、F110-GE-129 エンジン、AN/ALE-47 対抗手段放出装置、AN/ALR-56M レーダー警報受信機 などの改良された装備が搭載されています。 また、AGM-88 HARM の完全運用能力も付与されました。

歴史#

ベトナム戦争で苦戦を強いられる中、アメリカ空軍のジョン・ボイド大佐は、数学者のトーマス・クリスティの協力を得て、自己の戦闘機操縦経験を数的モデルに変換した、エネルギー運動性 (E-M) 理論を展開しました。 これを根拠に、優れた推力重量比を持つ新型軽量戦闘機 (LWF: Lightweight Fighter) の開発を求める声が上がり、LWF 計画として YF-16 と YF-17 が開発されることになりました。 優秀な機動性と加速性能、コスト面や F-15 とのエンジン共通化による供給能力が鍵となり、1975年1月13日に YF-16 の競争勝利が宣言されました。 空軍は高価な F-15 に対地攻撃能力を付与しない代わりに、F-16 が任務を引き受けることになりました。 これにより、F-16 は単なる軽量戦闘機ではなくマルチロールファイターとして運用されることになりました。

1974年2月2日に正式な初飛行を行い、1978年8月17日に量産型 F-16A 初号機がアメリカ空軍戦術航空団に引き渡されました。 以降40年以上にわたる進化の過程で、F-16 は幾度となく改良されてきました。 F-16C/D ブロック 25、30/32 に対して、ブロック 40/42 は F-16CG/DG、ブロック 50/52 は F-16CJ/DJ と呼ばれていましたが、2008年の CCIP (共通仕様実施プログラム) 完了に伴い、ブロック 40/42 と ブロック 50/52 は共通のアビオニクスを装備することになりました。 これにより F-16CG/DG、F-16CJ/DJ の2機種は、共に F-16CM/DM と呼称され、アメリカ空軍が運用する F-16 シリーズの中で最も高性能で数の多い機体となりました。

参考文献#

  • 公式マニュアル (DCSのゲームファイル内)
    • Eagle Dynamics\DCS World OpenBeta\Mods\aircraft\F-16C\Doc\DCS F-16C Early Access Guide EN.pdf
  • F-16C/D FLIGHT MANUAL T.O. GR1F-16CJ-1
  • イカロス出版「F-16 完全マニュアル (Owners' Workshop Manual)」

最終更新日: 2020-03-18